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  新型肺炎コロナウイルス検査陽性者の
  令和2年3月18日時点の日本の現状と今後の動向 



    医学統計学研究センターでは、3月4日、3月11日に、この問題に対して、 新型
    肺炎コロナウイルス検査陽性者の経時的発生数のデータから、日本のこれ まで
    の現状と今後の動向について、「何が言えるか」、の私見を報告をさせていただ
    きました。 今回も、3月11日以前の状況と、その後の1週間での状況を、ご覧い
    ただくために 前回と全く同様に、1月22日を調査開始日として3月18日まで、
    その日からの経過 日数と

          (1)一日当たりの新型肺炎コロナウイルス検査陽性者の発生数
          (2)累積発生数

    の二つの図を下に載せました。クルーズ船での出来事は日本とは別世界なので、
    この図には含まれていません。今回の日本の状況を表す図は、前回と同様の
    Johns Hopkins 大学のCenter for Systems Science and
    Engineering (CSSE)が開発したinteractive web-based dashboard
    からダウンロードできる real time のGitHub の データベース(Data
    sourceはWHO, CDC, ECDC, etc)のデータを2月21日まで使用し、それ
    以降は厚生労働省の発表(報道発表資料)による「感染者」の発生数の報告デ
    ータを用いています。その理由は、感染の拡大がアメリカを含む世界中に広がり、
    その中心が欧州に移ったこともあり、CCSEのデータベースの入力作業が追い
    ついて いない雰囲気であるからです(私の勝手な印象ですが)。

    検査陽性者の動向については、前回の報告でも解説したように、経過日数23
    日目 (2月16日)から3月3日までに新規陽性者の発生速度はほぼ一定の一
    日当たり15人 程度の、直線的な増加傾向(
青の直線)を示しており、他の国
    々の急増傾向に比べる と極めて穏やかな感染が継続している雰囲気でした。
    ところが、その次の日の3月4日 から、一日当たりの陽性者発生数が増加し、
    これまでの直線傾向から曲線傾向に 変化し始めましたが、3月11日までの傾
    向は、一日当たりの陽性者数が43名程度 の直線的傾向(
赤の直線)を示して
    いました。この大きな要因は、日本各地の ライブ施設、スポーツジム、等で2月
    中に発生したと思われる集団感染が顕在化して きたことによるものですが、そ
    の後の増加傾向も依然この
赤の直線上に沿っており、 3月18日(昨日)現在、
    累積陽性者数が914例となっています。

    この種の集団感染が発生すると、有効な対策が打てなければ、理論的には、
    感染者 数が指数曲線的に増加するものです。その例として、前回と同様に
    (下図)、韓国、 イタリア、フランスでは、大変な勢いで、指数曲線的に陽性者
    数が急増(outbreak)し、 韓国ではこのところその増加傾向が収まってきて
    いますが、イタリアでは、依然急上昇 しつづけており、3月18日までに
    35,713名(死者2978名)となっています。

    欧州の他の国々も同様ですが、興味深い現象として、イタリアの後を、1週間
    程度の タイムラグがあるものの、スペイン、ドイツ、フランスともほとんどイタリ
    アと同様の パターンで急増している現象です。イギリスもそれから少々遅れて
    同様なパターンで 増加傾向を始めています。つまり、中国で起きたこと、イタリ
    アで起きたことを、 「対岸の火事」と捉えて、それぞれの国がなんの初動対応も
    施していなかったことを データが表現していることになります。

    これらの国に比べると、日本の累積陽性者数は3月4日から昨日まで、一日当
    たりの 陽性者発生数が43名程度の直線的傾向(
赤の直線)を依然示していま
    す。この現状 は、2月26日から28日にかけて鈴木北海道知事、安倍首相によ
    って発表された国民 への行動自粛要請が、「2月中に発生した幾つかの集団
    感染にもとずくさらなる感染 拡大の阻止にある程度効果があった」と考えるのが
    自然かもしれません。 ただ、いずれにしても、現時点では、不顕性の感染者が
    まだまだ水面下で活動してい る現状なので、感染者の急増につながらないよう
    に、当面は、密閉空間におけるある 程度の規模以上の集会等は避けるべきで
    あり、かつ、国民の皆様一人一人の過剰で はない冷静な判断の下で自粛が望
    まれるところです。

    ただ、この種の自粛というのは、 自宅に籠ることではありません。必要に応じて、
    外にでて活動することも重要な要素です。 今後、政府が海外からの帰国者管理
    をしっかり行い、危険な集会等を避けることで、 感染が終息する日は遠くないと
    思いますが、現時点ではその日を予測することは困難 ですね。 次回は、未定
   ですが、日本(世界)の現状が変化したころ見計らって報告させていただき ます。










 Good luck !
 Best wishes
 Center for Medical Statistics

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